「こんなに健康なのに、なぜガンか」

6月7日〈金

血液検査結果出る。9.05。前回の8.21。4か月でこれだけの上昇とは、いよいよ、腹の決め時、ということか。

6月8日〈土

非常に奇妙な気分に陥っている。言ってみれば、「こんなに健康なのに、どうしてガンなんだ」。言い換えれば、「健康だと思ってきたのが思い違いで、病人だった」ってことなのか。それとも、「ガンだガンだと騒いでいるが、そもそもガンって何?」。もっと言えば、「そんなに健康なんだから、ガンなんて認識が誤りではないのか」。「PSA値なんて、関係のない数値を計っているのではないか」。

とにかく、自覚症状がない。それほど数値が悪化しているのに、何ら悪化感を伴っていない。もし、これが体温なら、38度なり39度なり、それだけの異常感を伴う。とてもじゃないが、8キロをはじってなどはしてられないだろう。

これは、前立腺ガン(ZG)が進行の遅いガンの特徴だとすると、この数値上昇が、ZGの進行を物語っており、それが、他の臓器への転移をおこすまでになっている。問題は、転移をした段階で、自覚症状を伴うガンとなる。

つまり、ZGとは、そういう〈走り段階のガン〉で、前立腺にとどまっている限り、せいぜい、その肥大を促進させる程度のガンということか。

 

6月11日〈火

非常に奇妙な気分に陥っている状態に変わりない。

これを、自分の定義にあてはめて言えば、自己免疫力を越えて、ZGの増殖力があるということだ。

別な言い方をすれば、自分の健康力を越えるZGの増殖力の存在。これを、ZGの生命力と言えるのか、それとも、私の体に巣食ったZG細胞の繁殖力と言うのか。

 

これまた、こいうこともあるのかという、エクササイズのタイム。

8キロはじりで、1時間4分1秒。キロ8分破りをねらった結果のもう1秒。

こういう歯がゆい記録にならぬよう、1秒や2秒くらいならいくらでも縮められるはずと、途中、気をゆるめぬようにしてきた結果のこれ。もう1秒くらいやれただろうとの後から論。

 

6月12日〈水

ZGの最近状況を調べてみたが、たしかに、医学側も進んでいる。ZGの遅行性についてのデータもそろってきた結果なのだろうが、転移リスクと進行時間との兼ね合いについての選択との視点が出てきていること。

結果的に言うと、今の段階での僕のZGにふさわしい処置は、全摘ではなく、フォーカル・セラピーと呼ばれる方法。

ただ、この方法は、アメリカや日本では実施されはじめているものの、オーストラリアの状況はまでそこまで行っていないようだ。

技術的にも、もっとも悪化している部分だけをねらったピンポイントの打撃法の実施が必要で、これも、医者側で習熟の時間がいる。

ともあれ、今の自分の状態では、全摘か否かを迫られるだろうから、それについては、MIRの結果も見ながら、それがいつかを決めたい。それに、PSA値について、その進行程度に関し、観察段階から処置段階への切り替えの目安として、10から20という診たてもある。

ともあれ、表記の「こんなに健康なのに、どうしてガン」との疑問については、その答えは《遅行生》にあり、自覚症状あるいは致命的になるまでには40年以上もかかるガンであること。ガンが発見されたのが10年前。それまでに、何年かかっていたのかは不明だが、仮にそれを10年としても、まだ中期にあるということ。そのくらいの長さのタイムスケール上の話ということ。

 

6月14日〈金

帰路は雨の中、10キロはじり。往路は42分35秒、帰路は39分54秒で、計1時間20分29秒。つまり、帰路はキロ8分を切っていた。ことに8キロが1時間7分7秒だったので、最後の2キロを15分22秒で、文字通り「走った」わけだ。これを、9キロのタイムは確認しなかったが、それを1時間15分7秒(つまり8分ちょうど)とすると、最後の1キロは7分22秒だったということになる。

 

6月21日〈金

昨日の水泳1000メートルといい、今日のはじり6キロといい、調子がよろしくない。水泳は、ともかく腕の筋肉の衰えのゆえ。今日のはじりは、あえてゆったりペースにしたせいでもあるが、それでも、終始、調子は上がってこなかった。

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