木金土の三日間の仕事は、順調に続いています。各5時間、合わせて週15時間の修行労働です。
私にとって、この15時間は、長すぎもせず、かといって短すぎでもなく、なんとも具合良い、絶妙な私の定期活動のひとつとなっています。
他方のビジネス情報調査やこうしたサイトむけの文章書きの活動は、一人で机に向かう、行動的には内にこもった静的作業です。
また、日課のひとつの運動も、これも一人で行うもので、孤独といえば孤独な作業です。
それに比べて週三日でも、店に出て、同僚とともに働き、お客に接することは、他の活動では得られない、生な社会性を持っています。言ってみれば、一つの密室にあけられた「窓」のようなものです。そこからは、騒音も入ってきますが、日光も風も入ってきます。
そうした毎週やってくる三日間で、ことに最近、店主のMさんと、仕込みをしながら、あるいは、やや手すきとなった仕事の合間に交す会話が、なんとも興味深いものとなっています。
彼は私より二十ほど若いですが、シェフとしてはベテランかつ、一軒の店を経営する主であり、私にとっては頭の上がらない大先輩です。
そういう両者が、それぞれの人生上の経験を背景に、昨今の様々な話題を、各々の見方で色付け、言葉は短く簡略ながらに交し合う会話は、それぞれに含みの深いものとなっています。
それはもちろん、仕事中ですから、手間ひまを要するまとまった話なぞとはゆきません。しかし、そのふと口をつく短い話題にこそ、それなりの生活感のエキスが込められています。通り一編の世間話では終わらない、それなりの各々のつっこんだ関心を吐露し合うそのやり取りは、なかなかの妙味となっています。
たとえば先日、私が、「行方不明となったマレーシア機と、ウクライナで撃墜されたマレーシア機は、同じ機体だそうですよ」と持ち掛けるとと、彼は、「それは面白い話だ」と乗ってきます。
そしてその数日後、今度は彼の方から、「あの行方不明機は、インド洋上の米軍基地に着陸させられた後、乗客は火星へ連れてゆかれたって報道がありますよ。信じられます?」と来ました。それに私は、「それはありうる話です。すでにアメリカは、ETと結んで、火星に基地をもっているらしいです」と返しました。「撃墜は、その証拠隠滅のためだそうです」と彼。
シドニーの一角のとあるレストランで、一人は刺身を切りながら、一人は寿司を握りつつ、二人がかわすそんな浮世離れした話が真面目に交されているシーン。これって、日常的ながら、ちょっとシュールなシーンに見えません?。