このクリスマスには、ジョンにちょっとした我々からのプレゼントを用意しておいたのですが、それがうれしかったのか、翌日、彼からのお返しのプレゼントがありました。
おもちゃの空き箱に、自分の好きなおもちゃをいくつも詰め込んで、“新聞紙”でラップし、むろん誰かが手を貸したのでしょう、リボンもつけてありました。
しかし、ひととおりそのプレゼントを私たちに見せ終えると、それを箱ごと、さっさと持ってかえってしまいました。
どうやら、そのように、自分の気持ちを見せることが彼の理解するプレゼントであったようです。
ともあれ、この国の社会保障給付のおかげで、子育てに100パーセント専念しておれるお父さんは、まずは父親の権威ばるようなことは一切見せず、ジョンが保育園に行っている以外の時間のほとんどを彼と一緒にすごしています。
おそらくジョンは、お父さんのことは、お友達の延長ぐらいにしか思っていないでしょう。はたで見ていて、そうしたお父さんの様子は、よくもそこまで根気がつづくものだと感心させられてしまいます。私にはとっても出来そうにありません。
お父さんも、「どうもこの頃、頭が幼稚になってきた」と笑っています。自分も好き勝手生きてきたし、息子にも、好きなことをさせてやりたい、と語る彼です。
確かに、母親側の愛情は極めて限られたほどしか受け取っていないはずのジョンですが、受け取る愛情の量に不足の様子は感じられません。
私の目にはきわめて変則的な親子関係ですが、そういう個性を目いっぱいに広げて、ユニークに育っていっていると見受けられます。だんだん少年ぽくなってきているジョンです。今後の成長が楽しみです。