新年にあたっての抱負めいたものに、「頭のフェミニン化」、もしくはちょっと今風に、「オツムのカミングアウト」をしたいと思っています。今日の世界や社会のもうどこもかしこも、世も末ほどもの混迷の顛末を目の当たりにするにつけて、それほどまでの人類の劣化の主因を探れば、それは、「男」が長年にわたって君臨してきた仕組みに帰すだろうと思うからです。そして、もはや私の「男」は、その自分たるものの「カミングアウト」という、平衡感覚のとぎすましの必要に迫られていると考える次第です。
昨年11月の日本滞在の際、ことに訪れたい目的地がありました。それは、香川県にある満濃池で、1200年前の飛鳥時代、弘法大師空海によって修築されたものです。加えてその道すがら、友人の助言もあって、それにさかのぼる200年前の西暦616年頃に築造された大阪府の狭山池もたずねることとなりました。こうして、古代日本の農業灌漑用溜池のうち、前者が最大規模の、後者が最古のものであるという二大名所を実際に訪れ、それがきわめて意義深い土木史遺産であることのみならず、自分が生涯曲がりなりにも携わってきた専門分野が、畢竟(ひっきょう)何であったのかを再認識することとなりました。【English版】

満濃池(まんのう町ウエブサイトより)
私たちは通常、なんとか健康を保っていて、病気のことなど考えたくもありません。そうであった病気が、しかも今や、聞いたこともないような病気が、次々と出現してきているとするなら、これは一層、忌まわしいことに違いありません。そしてそれが、自分の身の上にだったら。
今回の訳読の章のタイトルは「モルゲロン・ナノボット」。これが新しい病気の名前であるとするなら、さあ、いったい、どうすればよいのでしょう。その目にも見えないサイズのロボットが、自分に住み着いているとしたら、、、、