「表運動」と「裏運動」

右足先故障の原因判明

ホーリスティック・エクササイズ No.4

2023年7月7日〈金〉

前線が過ぎて天気が回復、南西寄りの冷たい風――日本で言えば「木枯らし」というところだが、そこまで冷え込む風ではない――は吹いているが、ほぼ快晴。

午後に予定があって、運動を午前中に繰り上げる。

いつものことだが、午前中の運動は、気分は乗っても体のモードがまだそうなっていない。そういうしんどい運動なのだが、時間帯が午前といつもとは違うので、なじみのコースでも、行き交う人たちが違って面白い。

重たい体をなんとか、ペースの維持だけで引っ張って、8キロを終える。タイムは、1時間6分7秒。気分的には5分を切ってもいいしんどさだった。

さて、それで、ほとんど正午となった芝生上で、クールダウンのストレッチを念入りに行う。そこで寝転んで見上げる青空が、もちろん青色なのだが、それは色の感じではなく、無限の奥行のある、何やら有機的というか、単に物質の世界ではない「人格」の漂う様なのだ。それが全天にわたっていて私をおおう。言葉が聞こえるわけではないが、ある種の意味を語っている。

 

2023年7月8日〈土〉

今日は、友人と、私の家で食事会の予定だったが、同居人親子がコロナ陽性というので急遽、延期。

 

ベトナムから帰って以来、気になっていることがある。それは、足の甲や腕の一部などに、皮膚がうろこ状にカサカサとなっていること。最初、プールの水に入れられたケミカルによる一種のかぶれかと思っていたのだが、そうではなさそうだ。どうもこれは、日光性角化症という紫外線による皮膚症状のようだ。

また過去、二十代のころから、顔にシミがあって、母親などから、年寄りみたいと言われていた。

調べてみると、UVBという紫外線レンジは、DNAの突然変異を起こさせてガンになる可能性があるという。だが、日本人の場合ガン化するのはまれという。

ともあれ、前立腺といい、日焼けといい、ガンとは際どい関係にある。だが、太陽光線の紫外線が起こす突然変異は完全にランダムなのだから、いい突然変化か、わるい突然変化か、どちらもあるということだろう。ともあれ、これくらいのリスク度なら、まだ、軽い方としておこう。

 

2023年7月9日〈日〉

念のため、コロナの判定キットを使って検査、結果は陰性。

 

昨日の休養日の後の今日、8キロはじりで、1時間4分23秒の記録更新となった。往路が32分27秒だったので、帰路は31分56秒。4分切りもまじかか。そうなった時は、もう、「はじり」との表現はやめて、「走り」にしよう。

右足先の故障も、違和感ももうほとんど感じない。どうやらこの一連の故障の原因は、すね筋肉の凝りと断定してよいだろう。今日も、クールダウン時に、念入りにすね筋のマッサージをする。もう、足首近くまで、弾力がもどってきている。膝を折る正座ストレッチも、背中を地面に付けれるまでもう少し。すると面白いことに、体のバランスまで回復してきている。大またに膝を地に付ける大腿筋ストレッチしても、フラフラしない。

これらからの教訓は、運動とは、使った筋肉の十分なメンテが必要という、《裏運動》もセットにして行う運動ということ。

 

2023年7月10日〈月〉

ふと、こんなことを考えた。自分を実験台とするのなら、自分は作品ということ。

と言うことは、自分を創作、つまり産むということ。それには、自分が男と女の両者である両性具有ということ。そういうトランスジェンダー状態を、少なくとも、メタで実現しているということ。

「女がすなるという妊娠を、自分もやってみようと考えた。」

これは、そういう新たな「想像妊娠」か。

ともあれ、ひとつの跳躍台にはなりうる。

 

2023年7月12日〈水〉

もう、25年を越えて通い慣れた近くの公営プールが、建て替え工事のため、今週を最後に閉鎖となる。今日、丁度、回数券も最終となるため、最後の泳ぎをしてきた。思えば、最好調のころは、1500メートルで、30分を切っていた。今は、1000メートルがようやくで、それも27~8分といったところ。まあ、それでも泳げているのをよしとすべきなのだろう。想えば、この地に長居したものだ。

プールの職員に、長らくの間の「サンキュー」を言っていたら、居合わせた歩くのが不自由で杖をついている年配の婦人が、彼女も1997年以来の利用者だという。「感傷的になっちゃうわね」と彼女、同感だ。

そんな思いを抱きながら泳いでいたら、数えまちがえて、1100メートルを泳ぎ、タイムは、29分38秒。1000メートルに換算すれば、26分56秒。

工事の完成は、2024年末か25年初め。それまで、泳ぐには、隣の区の施設まで足を伸ばさねばならない。

 

2023年7月13日〈木〉

今日のニュースによると、「万能細胞で不妊解明に道、受精卵モデル 米エール大など」と報じている。幹細胞から人工培養した胚を用いた胎児へのプロセスの実験が可能となったところがブレークスルーらしい。ただし、日本を含め多くの国ではヒトの受精卵の培養を受精後14日までに制限する「14日ルール」があるという。

報道によると、本物の胚は精子と卵子が受精してできるが、この胚モデルの作製に受精は不要という。体の様々な細胞に育つ能力がある胚性幹細胞(ES細胞)を特別な方法で培養してつくるらしい。

という報道なのだが、10日に書いたように、私の“人工胚”には、そんなルールは適用のしようもないし、この私の仮想実験は、14日以内の胚どころか、完全に成人し、かつ老齢にまで至った人間の、そのメタ次元での実験であって、極めて“先進的”だ。

要するに、このES細胞といい、LGBTQ+といい、人間のオス、メスと言う分野が、世界の最先端の取り組みの領域となっている経緯である。

量子物理学では、素粒子の「相補性」こそ、その最新性の核となっている。

つまり今や、「両生」に両属することで、この世の真理にアプローチしようというのである。

 

今日のはじりは残念な意外だった。気分上では、4分台は間違いないと思っていたが、結果は1時間5分43秒。実に2分も遅い。往路は33分20秒ほどで平均的だったが、帰路ではペースを上げたつもりだった。日曜のように、今日も31分台でゆけると思っていたのだが、終わってみればこれ。つまり32分がやっと。それが、思ったほどペースが上がらず、32分23秒ということ。それでも、ほぼ1分は縮めているのだから、落胆するのは見当違いということか。つまり、往路の33分台が敗因。

 

2023年7月18日〈火〉

水泳がお預けとなり、代用のプールを検討しているが、比較的近いところは温水ではなく、冬場はやっていない。温水のところは結構距離があって、もし通うとなると自転車使用となる。そうだとすると、トライアスロンならぬ、ちょっとしたバイアスロンになりそうだ。それもありかと思案中。

そんな折、今日は昨日の若い友人と共の30キロのサイクリングの後、足太腿筋に疲労感があるなか、それを押してはじった。結果は案の定、1時間8分台のおそまつなタイム。こんなところが相応な体力。それにしても、自転車は6月初め以来、一か月半ほど乗っていなかったが、大腿筋が驚くほど衰えているとの実態。

 

2023年7月20日〈木〉

プールが閉鎖されて、運動の「走・泳」リズムが狂ってしまっている。そのせいか、きょうのはじりは、まるで苦行だった。体から力が抜けてしまったかのごとくで、呼吸も苦しい。しかし、これで止めてしまうと、もう二度と戻れない気がして、ともかく持続する。こういう時は、リズム維持のみに集中して、それ以外は忘れる。

意外に、往路タイムが33分30秒と悪くない。しかし、帰路はもう、リズム維持だけでやっと。しかも、リズムをとるため、例の「一切皆苦、諸行無常、諸法無我、涅槃寂静」との仏陀の四法印を意中で繰り返す。というのは、この四文字ごとの音が、歩調に連動して、テンポ維持に恰好なのだ。しかも、この念仏をこれまで、一体どれほど多くの人が繰り返したのかと思うと、自分のはじる苦しさなんぞと、大いに戒められる。

結果は、1時間6分42秒。そしていつものように芝生に体を投げ出し、全天にうろこ雲を浮かべた空を見やる。こうした、寝て眼前をおおう空は、立って上目使いで見上げる空とは別物だ。そして今日の空は、そんな頑張りをねぎらってくれるような空だった。

そこで想った。以前は、自分の体はまさに自分のものだった。それを鍛えるのもなまらすのも、自分次第だと思っていた。それがどうもこの頃、自分の体は、誰かから借りたもののように思われる。それほど思いのままにはさせてくれぬ。だから逆に、粗末に扱ってはならぬ借り物なのだ。

 

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