アボット首相は2日、不動産を違法に購入した外国人への罰則を厳しくすると明らかにした。関連法案を提出し12月の施行を目指す。中国からの不動産投資が急増し、最大都市シドニーなどで住宅価格が高騰、一般市民の購入が難しくなっている問題に対処し、価格を抑制したい考え。
法案は、違反した個人に最長3年の禁錮刑か最大12万豪ドル(約1100万円)、企業に対しては最大63万豪ドルの罰金を科すなどの内容。手助けした業者への罰則も強化する。
不動産購入をめぐっては、外国人が投資できるのは原則として新築に限られるなど各種規制があるが、中古物件に投資する事例が横行し価格が高騰しているとされる。
4月末に政府がまとめた2013会計年度の直接投資額(認可ベース)では中国が首位で、4割超が不動産向け。中国からの不動産投資は前年度から倍増した。
アボット首相は「違法な投資は中古物件の価格を引き上げる。国民の購入機会を最大化したい」と述べた。
出所:日本経済新聞デジタル版、2015/5/2 18:45