ベビーブーマーと呼ばれるオーストラリアの団塊世代が、株価と住宅価格の回復によって、一時見合わせていたそのリタイアメントの動きを活発化しはじめています。
グラフ-1のように、オーストラリア家計の資産総額は70万豪ドルを超え、ほぼ、世界同時不況前のレベルを回復してきています。
また労働統計(グラフ-2)によると、世界同時不況の後、年金積立を増やすために労働市場にとどまっていた65歳以上の高齢者が、若い世代に比べ、その労働への参加率を下げ始めて、その差が広がっている傾向がみられます。
ただ、65歳以上とそれ以下世代との労働参加率の差は、2011年までは、ほぼ10パーセントを維持してきたものが、およそ0.5パーセントほど広がっている程度で、まだその走りの傾向の域を脱していません。
住宅市場の活性化をうけて、今年のこれから年末へかけてのオーストラリアの住宅市場の特徴は、ベビーブーマーが自宅を「ダウンサイジング」するため、大きな戸建住宅を売りアパートを購入する傾向だとみられています。
子供たちは独立して巣立ち、”エンプティーネスト”となった彼らの自宅は広すぎ、また、豊富な時間を旅行に当てようとするベビーブーマーたちは、管理に手間がかからず、安心して留守にできるアパートへの移転を望んでいます。
資料出所:12 and 20 Octber 2013, Australian Financial Review