ブラウズPJのゆくえ

この新春を飾った日豪関係上のひとつのエポックは、日本の大手商社二社が、オーストラリアで計画されている大規模天然ガスプロジェクトのひとつ、「ブラウズ」のガス購入契約を解除したとのニュースです。

ブラウズ・プロジェクトは、オーストラリアのエネルギー大手、ウッドサイド・ペトロリアムが主導し、日本からは、三菱商事と三井物産が折半出資する現地子会社MIMIが、その約15パーセントの権益を持っています。

同プロジェクトは、昨年9月、開発コストの上昇や環境問題から、その液化プラントを、西オーストラリア州の陸上に設置する案を改め、洋上に建設する浮体式への変更を決定していました。

このプラントの設置場所が陸上から洋上へと移るという大規模な変更により、その基本設計のやり替えが行われてきています。しかし、昨年12月末までに最終投資決定をするための契約条件が満たされず、この決定へと至ったものです。

同プロジェクトをめぐるこうした変転の背景には、オーストラリアの人件費などのコストの高騰があります。加えて、北米からの値段の安いシェールガスの輸出が本格的になれば、オーストラリア産のLPG価格の引下げの圧力要因ともなります。

両商社は、権益取得分を引き取る計画自体に変更はないとしていますが、オーストラリアにとって、この決定は、他のガスプロジェクトにも影響を与えるのは必至と見られています。

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