医者ではなく、コーチの出番

越境体験=QL;コンタムライフ実践編(その23)

QL 1Year+352Day(2020年12月11日〈金〉)

運動のねらいが、健康からスポーツ、少なくとも「健康スポーツ」といった分野に移ってくると、それに取り組む意識も変化してくる。言い換えれば、そこに「意欲」というものを伴うこととなる。チャレンジ精神の復活である。

人生も70の半ばになるというのに、「チャレンジ精神」が復活してきたというのは、これはえらいことだ。認知症の心配をしてもいいはずの時に、なにかに挑戦しようとの意欲を持つというのだから、これは完全に、マイナスからプラスへの反転である。

だから私は、これを、自分の「第二の誕生」と言ってもいいと考えはじめている。しかもこの誕生は、親の意志ではなく、自分の意志による。

ついでに言うと、もう、この領域に入ってくると、それこそ、医者の出番はない。むしろ、医者にそんな挑戦の話をしようものなら、「無理をしないように」とばかりに、その意欲に水を差すような話となるのが落ちだろう。

医者とは、病気治療、つまり「マイナス状態の人間を扱うこと」を旨とする職業ゆえ、安全サイドの考え――マイナスをより大きくしない発想――しかできない。

つまり、もう、医者ではなく、コーチの出番なのである。

 

QL 1Year+361Day(2020年12月20日〈日〉)

健康老人を「オールディー」と呼ぶことにしたが、現実に、オールディー相当の老人は、どのくらいいるのだろうか。

高齢化最先端の日本社会では、65歳以上の人口割合は、2020年9月現在、全人口の28.7%、3,617万人。オーストラリアの全人口を上回る。

このうち75歳を境に、前期と後期に分けられ、2018年現在で、75歳以上の「後期高齢者」が1,770万人、65歳から74歳の「前期高齢者」が1,764万人という。ほぼ半々。

以上のうち、認知症患者数は、2020年中で、600万人を超えると予想されている。約17%。

それ以外に、生活習慣病患者数は、全体で1,400万人以上。それに高齢者人口割合を掛ければ、400万人。

つまり、認知症と生活習慣病を合わせれば、約2,000万人となり、その割合は55%となる。

したがって、オールディーの割合は45%を超えることはなく、経済的条件を加味すれば、4分の1、900万人といったところか。

逆に、4分の3の2,700万人は、それこそ「お荷物人口」ということとなる。

これだけの老人たちが、幸せに介護されているとは思えない。

ちなみに、介護保険の要介護認定者数は660万人ほど。ほんの一部だ。

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