どちらもトラぶる前立腺

男ならほぼ不可避な問題にどう対処する

 連載《「男の急所」の料理法》(その1)

今号より、新たなシリーズを始めます。題して《「男の急所」の料理法》。そしてその「男の急所」とは、前立腺です。

前立腺肥大(以下「zH」と略表記)は、男なら、一生でほとんどの人が経験する症状と言います。また、前立腺癌(以下「zG」と略表記)は、日本人にも近年その症例が急増しており、癌発症数ではトップ、癌死亡因では肺癌につづく第二位となっているとの統計です。すでに記事にしたように、本サイト発行人もそのzG患者の一人であり、手前事ながらその体験も含め、より多くの情報を普及させる意味で、本シリーズを開設します。

その第1回は、PSA値が8と10の二人の当事者が登場します。また、読者の皆様も、大なり小なりの当事者と見受け、ふるっての通信参加をお願いいたします(本ページ末の「ブログり合うも何かの縁」をご利用ください)。

発行人 

8年前に生検で初期zGと診断され、それ以降、積極的監視療法を続けてきています(すでに本サイトに多くの記事を掲載しており、その最初は、2014年3月の『「正念場」いよいよ登場』との記事)。直近の状況は、2月21日の定期血液検査で、PSA値が8.07に上昇、5月2日の再診断を前に、MRIと4月中の再PSA値検査を受けています。

以下、この発行人を受け手にやり取りされたメール通信の数々です。

 

Aさん 70歳代半ばの方で、以下のように通信されています。

【4月2日】先日、ついに私もZGの宣告を受けました。健診でPSA値が10であったため、再検査を受けるように言われたのですが、忙しさを理由に放っておいたところ、私と誕生日が4日しか違わない西郷輝彦の訃報を聞き、家族が再検査を執拗に勧めますので、MRIを受けたところ、「はっきりとは分からないので、生検を受けたらどうか」と言われ、人生で初めての1泊入院で生検を受けたところ、「ステージB」との判定で、4月になったら骨などへの転移がないかの検査を受けて、治療方針を決めることとなりました。貴兄のように食事をコントロールすることは難しそうなので、何らかの治療を受けるつもりです(全摘の選択はしたくありませんが)。

【4月15日】 昨日、ZGからの転移が骨や内臓に出ていないかを調べる検査を受けました。CT検査で内臓を、RI検査で骨を調べてもらいましたが、幸い転移は見られないし、G以外の異常も見受けられない、とのことでした。

 医師は、「肥大化したZを残すと排尿障害も残るのでZを全摘するのが根本的な治療になる」とのことでしたが、私としては身体にメスを入れたくない(リスク回避)ので、今日から2週間ホルモン剤を飲んで様子を見ることにしました。その結果(採血、採尿検査)にもよりますが、重粒子線照射も視野に入れた治療をするつもりでいます。

 

発行人 

【4月16日】 僕自身も、自分の生活をふり返って、豪州生活により、肉やミルク関係の食品接種が増えたことは認められ、8年前のZ診断以来、極力、肉・ミルクベースの食事を減らしてきています。まあ、肉好きもあって、つい油断して食べてしまいますが。ともあれ、最近の食事は、野菜と魚ベースがほとんどで、寿司職人の真似事をしたことも、魚のさばき方が出来るようになって、大いに役立っています。

次に、zHもzGも絡んだ問題に、西洋医学問題があります。

この点での僕の結論は、少なくとも日本人は、西洋医学と東洋医学(ことに日本伝統医学)という二系統の医学を利用できる有利さをもっていると考えています。

これは、ほんの最近、それこそ、Mさんと(ネットを通じ)再会できたことが決定的な曲がり角だったのですが、サイトにも書きましたように(「四分の三プロジェクト」の突破口 – フィラース (philearth.space))、僕は日本人であったことの幸運をフルに使いたいと考えています。そして、そこで、Mさんの薦めに従って始めているのがお灸です。

お灸をしていて、昔、僕の祖母がしていたシーンを思い出し、懐かしいとともに、自分がそれを、ある種、それを行う年寄りを旧習として見下しているところがあったことも合せて思い出しています。

つまり、西洋知識に染まった、一種の偏見を持っていたシーンとして見るのですが、そういう日本伝統医学の見直しのきっかけを与えてくれたのが、水谷さんの生き方です。なにせ、その日本伝統医学をひっさげてカナダに乗り込み、それを普及させてきているのです。この彼のライフワークには着目すべきところがあります。

それに加え、彼は、30年近く前、『北米東洋医学誌』という機関誌を発刊し、以来その編集責任者をしてきており、医学的実践に加え、その思想的普及にも関わってきています。つまり、僕はその機関誌の記事を読むことで、その日本伝統医学にかかわっている人間としての働きかたの核心に触れることができたわけでした。

そういう次第で、僕のzHとzGに取り組む基本姿勢は、これら両医学の《いいとこ取り》です。ましてその日本人であって、世界でもっともそれを利用しやすい環境にあるのですから、それを利用しない手はない、との考えでいます。

つまり、男としてzHに、そして広く人間としてzGにさらされているこの問題は、究極的には、自分の身体のもつ自然治癒力、ことに免疫力を、無知であった(あるいはそう強いられてきた)とはいえ、どう損なってきたのかということであり、それを今後、さらに傷付けずに保存あるいは回復させて行けるかの問題と考えています。また、それを大上段に、信念に絡むものとして言えば、どこまで自分の体を信頼できるのかの問題であると。

以上のような観点で、zHの原因の一つとされている男性ホルモン説にからみ、Aさんが試されるホルモン治療の結果がどう出るのか、注目している次第です。

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