「平和的解決」へ

私と前立腺ガンとの“戦争”

《「人生二周目」独想記》第20号

どうやら、私と私の前立腺ガンとの“闘い”は、まだまだ予断はできないのですが、互いに殲滅し合うというのではなく、言うなれば、それぞれの存在を尊重し合うという、一種の「平和的解決」へと向えそうです。

というのは、10年前の同ガンの発症以来、2回の生検、3回のMRIを含む、PSA値の変化の監視(suveillance)を続けてきましたが、先日の直近の血液検査の結果、じわじわと上昇を続けてきたPSA値に、確かな下降がみられたからです(別掲記事参照)。

10月1日実施の血液検査結果を伝えるレポート

来週、専門医師に会い、改めてその診断をもらいますが、その結論は十中八九、いままで通りの経過監視を続けてゆくこととなるでしょう。

楽観的になり過ぎてはいけないと思う面はありますが、かくして、私の同ガンとの付き合い方は、それが最善であると考えてきた自己治癒が、どうやら現実のものとなりそうな気配に至ってきました。自分に潜在する自然治癒力を引き出す作戦が、ようやくにして、功を奏しはじめたと見てよい展開です。

もちろん、病巣が完全に消えたと言う確証を得たわけではないので、いまだ綱渡りの状況は続きます。そうではありますが、一つの山を越えたかの感じを持てているのは確かです。

この先も当面、監視処置を、多分しだいに検査間隔を伸ばしつつ、続けてゆくことは変わりないでしょう。そして中長期的には、PSA値は多少の上下変動を見せながら、さらなる下降ないしは安定に落ち着いてゆくのではないかと、希望的に観測しています。

ともあれ今後も、監視を必要とするその意味で緊張状態は解けないのですが、それはそれで、日々の生活への一種の引き締めとして、役立てて行きたいと考えています。

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