外国人による不動産購入に新課税導入か

8月30日付のオーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー紙の報道によると、特別の印紙税や料金を課して、中国人の不動産購入に制約をかけようとする法案が連邦議会の委員会で検討されており、住宅の高騰がオーストラリア国民の住宅購入を困難にさせている問題の対策になろうとしています。以下のその抄訳です。

 

年末に向けた住宅市場の活性期を前にして、裕福な中国本土の購入者がオーストラリアの住宅市場を高騰させているという国内社会の懸念が増大している。

同委員会は、住宅不動産への許可をForeign Investment Review Board(海外投資審査委員会)の審査に含ませるといった案を検討している。

さらにいっそう劇的なものとして、与野党共同の議会委員会は、この10月をめどにまとめる報告書に、すべての外国人購入者に特別の印紙税を課すべきとの案を考慮中である。この動きは、2011年にシンガポールが過剰な海外からの購入を抑制させるために10パーセントの税導入を決定したことと似ている。

国会下院の経済委員会は、FIRB の議長の、「オーストラリアの物件を違法に購入するため意図的に身分を隠した海外の購入者を取り締まることは、極めて費用がかかり、困難である」との発言を聞いている。

同議長は、不動産譲渡取扱者を用い、購入者が誰であり、その居住条件が何であるのかを電子的形式で行う方式を歓迎している。

不動産業者からの聴取によると、多くの中国人購入者は、不法購入への最高85,000ドルの罰金も「一種のコスト」と考えている。

業界関係者によると、中国人購入者による需要は、この先数年間、高止まりすることが予想されている。ことに最高価格帯の物件は、中国政府の手から、財産を逃れさせるための手段としたり、彼らの子供の教育に住宅を買い与えためである。

この三月のクレジット・スイス銀行の報告書によると、直近の数か月間に、中国からの金の大流入が国内市場を圧倒し、それを膨れ上がらさせる怖れがあり、この先7年間で、中国人による住宅不動産の購入がおよそ440億ドルに達すると予想している。

 

また、9月1日付のAFR紙は、不動産業者や弁護士は、シドニーやメルボルンの高価な住宅を不法に買おうとする海外の購入者を意図的に援助している、との内部告発を報じている。

この告発者は、FIRB の力なぞ、「絵に描いた餅」であるという。彼はまた、FIRB が法律をごまかす海外の購入者を通告することを期待する不動産業者は、高額の手数料を取ることに躍起になっているという。

彼は、中国人は、国内市場の値段に20から30パーセントの上乗せをして住居を購入し、他の売手の思惑に波及効果をもたらし、それにより、地元の購入者は太刀打ちできなくさせていると言う。

「ある将来有望な地区では、その上乗せは30パーセントを越えた。その時、英語も話せず、手順もよく判っていない3人の中国人が互いに争い、競って価格引上げの度に手をあげていた」と彼は言う。

彼は本紙記者に、議会の委員会が検討している案も、こうした行為には何の効果も果たさなく、「彼らにとってはそれもただのコストで、彼らを排除することにはならない」、と語った。

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