私にとって、山登りは、自分の心身ともの成長の、自然な教師役を果たしてくれていたようです。子供のころ、小学三年生までは病気がちで、医者通いが欠かせませんでした。それがしだいに健康となってくるに伴い、体を動かすことの味を覚えてゆきました。当時、神戸に住んでいたため、放課後には、仲良しの友と連れ立って、毎日のように、市街の裏山に登るようになりました。するとどうでしょう。それまで、細々としていた自分の足に、筋肉らしきものが付き始めているのに気付きました。それからです。メキメキと山歩きに自信をつけて、やがては、家族を案内して、日曜ピクニックを率いるようになってゆきました。
そんな私が喜寿に達し、その成長時代とは逆に、体力に自信を無くしがちな時期に至ってはいますが、やはり、山への思いはなぜか衰えてはいません。
この十月、日本に帰国し、二度の山歩きを楽しむ予定です。ひとつは、秩父の武甲山から東京の最高峰、雲取山への縦走です。この山行きには、この春、エベレスト登頂を果たした若き友人がガイドを務めてくれます。第二は、大学以来の旧友とともに、彼の故郷、松本の山々を訪ねます。穂高連峰の前衛峰、蝶ヶ岳をめぐる山行きです。
そこでこの居酒屋談では、ライブ報告風に、月二回の通常掲載を変則的にして、その都度のエピソードをお話しして行こうと思います。ご期待を。
【月二回の号数建ては変更せず、その都度、前記事に追加する形で掲載してゆきます。適時のチェックをお願いします。】
2023年10月4日、午前9時15分、JAL52便でシドニーを立ち、午後5時5分羽田着。その足で、秩父武甲山麓、横瀬にあるガイドの山荘(下地図の「出発」点まで約1kmの登山口にある)へと直行。
秩父縦走
【青点線が歩いたコース。数字は宿泊地】
2023年10月5日、縦走登山開始、武甲山、大持山、ウノタワでテント泊
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ウノタワの不思議なコケの原が今夜のテント場。パワースポットらしい。
2023年10月6日、ウノタワ、鳥首峠、有間山、日向沢の峰、一杯水避難小屋泊
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案内板は立派なのだが、さびれた鳥首峠
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有馬山付近から遥か東方に立川や都心のビル群が望める
2023年10月7日、一杯水避難小屋、天目山、大栗山、酉谷山、長沢山、芋ノ木ドッケ、(雲取山往復断念)、白岩山、白岩山小屋跡テント泊
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酉谷避難小屋から望む富士山。妙な形の冠雪。
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白岩山小屋跡から西方を望む。右手の最高峰は甲武信岳。
2023年10月8日 白岩山小屋跡、霧藻ヶ峰休憩所、御岳神社を経て、バス、電車、タクシーを乗り継いでガイドの山荘帰着
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三峯神社山門
以上の四日間の縦走を記録した3次元マップ
【この縦走を案内してくれた山岳ガイドへのコンタクト】
市川 高詩(愛称シカオ) 070 8304 0449
2023年10月9日 松本へ移動
北アルプス、「パノラマ銀座」縦走
2023年10月10日 中房温泉登山口より登山開始、燕山荘泊
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第一ベンチにて。天気はまだぐずつき模様。
2023年10月11日 燕山荘出発、「パノラマ銀座」縦走開始、大天井岳、常念小屋泊
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夜明けの燕山荘
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途中、富士山を遠望。右手は日本第二の高峰、北岳。
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この縦走の最高峰、大天井岳頂上。背後の尖峰は槍ヶ岳
2023年10月12日 常念小屋、常念岳、蝶槍、蝶が岳(三角点)、蝶が岳ヒュッテ泊
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常念小屋前でのご来光
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最高の天気の中、常念岳登頂。背後は穂高連峰と槍ヶ岳。
2023年10月13日 蝶が岳ヒュッテ、蝶が岳、下山開始、三股登山口
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夜明けの蝶が岳ヒュッテと縦走してきた峰々。右が常念、後方中央が大天井。
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蝶が岳頂上と朝日に照らし出される穂高連峰
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下山途中で見上げる常念岳(左)と前常念(右)。
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じいさん二人、無事、縦走達成。三股登山口にて。
【まとめ読み】
第一話 料理は身を助ける
第二話 「うら、おもてなし」
第三話 上の口と下の口
第四話 「粒子」と「波雄」
第六話 きれい好き日本
第七話 道路と鉄道って、別々でいいの?
第八話 過去と今時の性事情
第九話 人にある男女の調和
第十一話 えっ、「発達障害」? 俺だって
第十二話 「年寄りの冷や水」しようぜ