各都市によって状況はまちまちながら、ことにシドニー、メルボルンなどの東部州首都の賃貸アパートブームは終息の時期に入りつつあるとの見方が広がっています。
下の四つの図表は、シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレイド、パース、キャンベラ、ダーウィンそしてホバートの8都市別に、それぞれ、戸建て住宅とアパート住宅について、賃貸収益率と賃貸家賃の3時点での数値と、この一年間の変化(グラフ表示)を表したものです。
戸建て住宅では、この一年間に、ほとんど州首都でその賃貸収益率が下落しており(図表1)、ことにパースとキャンベラでは、その下落率は5パーセントを上回っています。賃貸家賃(図表2)は、メルボルンの5パーセント超の伸びが突出し、シドニー、メルボルンでは、その半分ほどとなっています。
図表1 都市別戸建て住宅の賃貸収益率(%)
図表2 都市別戸建て住宅の賃貸家賃(豪ドル/週)
アパート住宅では、やはり、ほとんど州首都でその収益率が下落し、パースやキャンベラでは、8パーセントの下落率を上回っています。とくにシドニーとメルボルンでは、その率は5パーセントを切り、家賃収入により収益への期待は薄れています。
賃貸家賃は、シドニーとダーウィンが年率5パーセントを越える目立った伸びを示している一方、他の都市の伸びは少なく、ことにパース、キャンベラでは、6パーセント前後の下落となっています。
図表3 都市別アパート住宅の賃貸収益率(%)
図表4 都市別アパート住宅の賃貸家賃(豪ドル/週)
資料出所:21 August 2014, Australian Financial Review紙