オーストラリアで行われた新たな調査によると、他の部位にまだ転移していない前立腺ガンを診断されたオーストラリア人の5人に1人は、7年以内に転移ガンを発病している。
これはオーストラリアで最初に実施された人口ベースの調査で、転移前立腺ガンの転移パターンを調べたのものである。
それによると、転移疾病が発見されるまでの平均年数は3.6年で、転移発見後の平均生存期間はわずか6カ月である。
この研究は、NSW ガン協会の研究者によって発表されたもので、NSW州において、1993年から2002年の間に未転移の前立腺ガンを診断された32,600人を基礎に実施された。
もちろん、前立腺ガンの発見と治療は、その後に進歩はしている。たとえば、新開発された画像法は診断の正確さを高め、また、進んだガンに対する新しい薬剤は、生存率を高めている。
だが、同研究がもっとも必要とされるガン治療法の発展に寄与するとしても、いったい、その転移の当事者とはどういった人なのか。
同研究によると、未転移の前立腺ガンが診断された段階で、43パーセントの人が局部的な病気をもっており、5パーセントが局所的な広がりを持ち、52パーセントがどんな病気も未発見な段階だった。
そして、転移をおこすリスクは、局部的病気をもつ人にくらべ、局所的な病気をもつ人は2.6倍高く、未発見段階の場合は1.7倍高い。
また、年齢もその要素である。転移を高めるリスクは、75歳以上で顕著となる。
リスクを高める他の要素は、農村地帯に居住している、あるいは、低い社会経済的地位の地域に居住していることである。
さらに、転移をおこす率は継続し、引き続いて14年間まで持続する。
同研究に取り組んだ、Oingwei Luoa, Xue Qin Yua, David Smith, Dianne O’Connell は、離れた部位への前立腺ガンの転移は、長期にわたっておこることを発見している。
【出所】26 May 2015, Australian Financial Review