政府によって検討されてきた外国人がオーストラリア国内の住宅を購入する場合の新税と違反の罰則は、この12月1日をもって発効しました。これは、海外投資監視庁(Foreign Investment Review Board)による購入申請料金として支払うもので、価格100万ドル〔9,000万円〕未満の物件には5,000ドル(50万円)、100万ドルを超えるものについては10,000ドル(90万円)の料金を課すものです。
ただ、この一種の「新税」の導入によって、突出した購入者である中国人による購入意欲が抑制されるのかについては、業界筋の見方は否定的です。
報道によると、ある中国人向け不動産業界関係者は、この新料金の導入が市場をしずめるとは考えられず、「もし何等かの効果があるとするなら、オーストラリア市場へのいっそうの着目を与えるものだ。中国人たちは言っている。『もしそれを払わなければならないなら、それはそれで結構だ』」と語っています。
既に、12月1日の導入前までの駆け込み購入契約は殺到しています。しかし、それで終わるわけでもなさそうです。
ある住宅開発業者は、この新制度は、経済的というより政治的なもので、「我々は開発を必要としている。我々は外国からの投資を必要としている」と語っています。
上記関係者によると、オーストラリアに投資する中国人たちは、ただの投資というより、長期的な目的をもっているといいます。つまり、中国人たちは、オーストラリアに住みたく、子供をオーストラリアで教育したく、また、もっと親族を呼びたいからだといいます。
また、別の中国人関係者は、この新料金は、ハーバーブリッジのピーク時間帯の通行料金が高く設定されているようなものだといいます。それによって、ビーク時の通行がなくなるわけはないと。
〔資料出所:2 December 2015, Australian Financial Review〕