グラフに見る住宅価格高騰

IMFの発表した資料によると、オーストラリアの住宅価格は世界の他国と比べても、また、過去の自国の実績と比べても、著しく高い水準に至っていることが数値的かつ視覚的に示されています。

グラフ―1は、対収入住宅価格倍率の最新値をその歴史的な平均値と比較した比率です。このグラフのトップはベルギーのほぼ50パーセントで、オーストラリアは三位の32パーセントと、歴史上、高い水準になっていることが示されれいます。

一方、このグラフの最下位に日本があげられており、マイナス41パーセントとなっています。日本の住宅価格の低下度合いが世界的にも著しいことが分かります。

 

グラフ―1 対収入住宅価格倍率の歴史的平均との開き

Aushouse_gph#1a

 

グラフ―2は、対収入住宅価格倍率の1900年以来の経年変化を表したものです。グラフのように、2000年以降、上下動はあるものの、4倍以上の高い水準に張り付いていることが判ります。

 

グラフ―2 対収入住宅価格倍率の経年変化

Aushouse_gph#2

 

グラフ―3は、対住宅賃貸料比率の歴史的平均との開きを見たものです。この面でも、オーストラリアは四位となっています。つまり、賃貸住宅への居住費用に対する住宅を所有するコストの比率が、その歴史的平均よりほぼ50パーセント程度も上がっているということです。

 

グラフ―3 対住宅賃貸料比率の歴史的平均との開き

Aushouse_gph#3

 

グラフ―4は、最新住宅価格(四半期平均)の昨年同期からの昇降率を見たものです。トップはフィリピンの約11パーセントですが、オーストラリアは約7パーセントで11位となっています。日本は2パーセントほどの低下となっています。

 

グラフ―4 最新住宅価格の年間上下率

Aushouse_gph#4a

Aushouse_gph#4b

 

グラフ―5は、各年の住宅価格中間値(青線、単位豪ドル)、借金を含めた見かけ所得額(茶線、1986年基準値)、および可処分所得中間値(黒線、1986年基準値)の経年変化です。黒線の表す実所得の変化が、青線の表す住宅価格の変化に追い付いておらず、その差の借金が増加してきている様子がうかがえます。

 

グラフ―5 住宅価格中間値と可処分所得額の経年変化

Aushouse_gph#5

 

資料出所:12 June 2014, Australian Financial Review

 

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