不動産の評価と助言を専門とする企業、WBP社によると、メルボルンやシドニーのアパートの価値は、購入から入居までの期間に、最大で20パーセントの下落をしているといいます。
ほとんどの大都市でオフ・ザ・プラン購入されたアパートのうち、そのほぼ44パーセントは、完成した段階で、購入価格を下回っています。
「まるで悲劇だ」とWBP社のCEOは言います。「多くの投資家は、合意が成立しなかったり、追加の資金が必要となったりして、頭金を失っている。」
不動産業界の専門家は、そうした価格が回復するには、6年から10年の期間が必要といいます。そして、その影響をもっともうけているのは、50万から70万ドル(4,900~6,860万円)の二寝室のアパートということです。
不動産分析者は、パース、ブリスベンの中心地、そしてメルボルン中心地の一部でアパートを購入することに警告を発しています。
シドニーでは、主に市の中心地のオフ・ザ・プラン物件は、購入から完成までの間に、およそ13パセーン下落しています。
メルボルンとパースでは、そうした傾向がもっとも顕著に表れています。この二都市では、人口増よりアパートの供給が上回り、また製造業や資源産業の不振により、労働人口や住宅の供給が落ち込んでいます。パース中心地では、2012年3月以来、1パーセント以下だった空屋率が7パーセント以上へとはね上がり、平均家賃は、約15パーセントも下がっています。
シドニーでは、従来より移民の流入と不動産投資のメッカでしたが、その空屋率は2.5パーセントを維持していますが、諸ブロジェクとの完成までに、これも上昇するものとみられています。
100階を超える超高層アパートの建設が計画されているメルボルンでは、サウスバンクの空屋率は現在8パーセントを超えており、これが急速に上昇しています。ドックランドや中心部の空屋率は現在5パーセント強です。
(資料出所:21 Sept. 2014, The Australian Financial Review)