大江健三郎の生家を訪ねて

12月21日〈月

年内最後の一週間となった。早いものだ。29日(月)から4日(日)まで正月休みとなる。そこで新年の働く予定を10日(土)までと通知する。つまり働くのはあと正味二週間。

今回の訪問先の愛媛県内関係地図          .

職場で、昨日めざした遠見山について聞いてみると、地元の人たちなのに誰もその名を知らない。そこで思い出したのだが、昔、私の初婚の相手の米作農家を営む故郷を山登りを兼ねて訪ねたことがあった。その時、義母から「山に登ってなにすんの?」と不思議がられたことがあった。つまり、自然を相手に生活する人たちにとって、山は生活資源の何かを得る場ではあっても、趣味目的の対象なぞではない。どうやらこの宇和島でも、山はミカンを実らせてくれる場ではあっても、ただ登りに行く対象ではないようだ。

仕事が20分ほど早く終わったので、9日前と同じコースをはじった。4.5キロほどが今日は39分50秒と1分20秒ほど短縮。

 

12月26日〈金

寒波来襲、寒い。今朝は雨が雪に変わり、何十年振りだろう、雪の降るなかを自転車で走って職場に向かった。雪の舞う光景は一面ロマンチックではあるのだが、寒いことには変わりない。ただし、三週間後には、これどころでない、もっと厳しい寒さの雪山にいる。

 

12月27日〈土

寒い日が続いている。今日も仕事が早めに終わり、いつものコースをはじり。4.5キロを39分40秒と、10秒短縮。

 

12月28日〈日

年内最終日。出だしの入院騒ぎはあったものの、ほぼ一か月のこの異端労働への従事はひとまずは終了まで漕ぎつけた。

 

12月29日〈月

まさに縁あってものというところだが、ミカン園と加工工場の創業者で、今は退いている当社の会長に会って昼食をしながら歓談。

彼の若いころの、農業はいやでしょうがなかった話から、この「南四国ファーム」との名称のミカン産業企業を成功させるまでの話を4時間にわたって聞く。年齢は75歳と私とほぼ同世代。自民党傘下、農協に組織化された保守的な地元ミカン生産文化の中で、独自構想に基づき、栽培、収穫から加工、販売まで一貫して営む企業体につくり上げた反骨独歩精神は、立場は違いながら、どこか通じ合う同質のものを互いに交換。

明日の従業員たちの昼の賄食にもさそわれる。

 

12月30日〈火

午前中に、お正月用の地元の日本酒を買い込む。

会長に進められた宇和島の銘酒「虎の尾」と、愛媛の城川郷の「尾根を越えて」の二本。いずれも4号瓶。

 

12月31日〈水

内子へ向け出発。

昼前、内子町に到着。

町を貫く通りの日本食店「米屋」で昼食。郷土料理という「さつま汁定食」をいただく。写真のメニューの説明通りの料理。風変りだがうまい。

チェックインまで少々時間があり、町を流れる小田川の河原で過ごす。大江の小説「万延元年のフットボール」を電子版で読む。日差しは弱弱しいながら暖かいが、川風は冷たい。

着いた宿「Ted’s」は、オープンしてまだ一年というサイクリスト向け(限定というわけではない)のきれいな施設。早期退職した元ANA社員が宿主で、洗練された雰囲気。

午後、街並み保存の通りを散策。大晦日だし、冷たい風が吹いて人通りはまばら。まるで映画用のセットの通りをあるいているかと錯覚する。しかし、いずれも現物で、人も住んでいるし、その商売も実物。

人通りが途絶え、まさに映画のセットのよう。

 

2026年(令和8年)丙午(ひのえうま)

1月1日〈木

宿の主人が取り寄せていた「おせち」をいただく。おせち料地なんて何十年ぶりだろう。数の子や黒豆、栗きんとんなどなど、なつかしいものばかり。しかも道後温泉の料理旅館のものとあって、味もばつぐん。寿の丸箸も昔の記憶を呼び起こさせる。

こうしてご主人のご厚意もあって、思いがげないお正月気分を満喫できた。

その後、町の山の手にある高昌寺へ初詣。

午後、大江健三郎の生家を訪ねて、宿のレンタル自転車に乗り、約8キロほど上流の大瀬へと向かう。

自転車は電動で、電動にすると誰かに腰を押してもらうような感覚で、すいすいと前に進む。ただし、運動目的の私は、往路はあえて電動抜きで自力走。

到着した大瀬は、街道沿いに古民家の立ち並ぶ、元旦のためもあるだろうが、静まり返った集落だった。

大江健三郎の生家

後のノーベル賞受賞者が通った小学校。生家から100メートルも離れていない。

帰路は、西からの強い寒風が向かい風となって、電動にして走行。それでもこがないと、速度はでない。冷え切って宿にもどった。

 

1月2日〈金

朝起きて窓から見ると、外は雪。まだ積もるほどではないが、止む様子はない。

防寒にズボンや靴下を二重に履いて、雪の中を駅へと向かう。

駅のホームに上がると、うっすらと雪化粧した町が見渡せた。

伊予吉田への帰路、途中、八幡浜にて下車してみた。せっかくだから、地元の料理で昼食を取ろうと、町の商店街の料理店に向かう。あらかじめそのHPで開店時間を調べて行ったのに、店は閉じている。やむなく引き返し、途中の食品スーパーで、握りずしセットを買い、吉田の寮に帰る。

 

1月3日〈土

雪は止んで、雲間から日差しはある。しかし風は冷たい。

その寒さの中、今日は距離を少々伸ばして、5.4キロのはじり。タイムは47分05秒で、いつもの4.7キロでは49分58秒。ほぼ変わっていない。

不思議なもので、はじった後はいつもこうなのだが、やることを済ませたと、満足した気持ちを納得するのである。

 

1月4日〈日

4.7キロはじり、タイム49分48秒。

夜、孫ほど若い同僚と宇和島の街で食事と遊興。

 

1月5日〈月

最終日の10日の土曜だが、引き上げるにあたって、ユニフォームの洗濯や部屋の掃除、荷造りをやって、翌日朝の出発は難しい。そこで最終日は金曜にしてもらう。

 

1月6日〈火

仕事後、4.7キロはじり、タイム49分41秒。

 

 

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