「働いた感」「やった感」

8月7日〈木

寒い日だが、泳ぎに。戸外プールは、さすがに人はほんの数人。意外にスムーズに泳げたが、時計が働かず、800メートルは確かだが、タイムは不正確。

 

8月8日〈金

左足のふくらはぎが頼りない。今日も、始めてすぐなのに、軽い痛み。温まっていないせいでもあるのだが、この危うさは8キロの間、つづいた。速度を上げようとすると危なくなる。そこで、ディケンズを上げて、むしろ足を回転させる感じだと、痛みも出ない。8キロのタイムは、1時間9分24秒と、10分を切った。

 

8月9日〈土

雨模様の寒い日、泳ぎ1000メートル28分28秒。この頃にしては、まずまずのタイム。

 

それにしても、運動後のこの「働いた感」は何なんだろう。むろん、それを「働き」と結び付けてそう呼ぶのは僕だけではないだろうだが、近代の勤労意識の持ち主なら、同感だろう。

しかし、それをたとえば、「遊んだ感」とか、「動いた感」とか、「やった感」(セックス後の気だるく満足した充実感に似てる)とかでもいいじゃないか。一般的には、「充実した終了感」とでもなるか。それにしても、それがどうして「働いた感」なのか、どうも近代労働者の植え付けられた奴隷意識のような気もする。僕としては、「やった感」が一番近く、スッキリしている。

そこでだが、ともかくそうした運動事後感は、どうして起こるのか。精神的なものなのか、肉体的なものなのか。

前者だとすると、何か自分で価値あるものと定めたものに達したから、それを良いことと判定しての結果だろう。100点満点をとったとか、試験に合格したとか。今日の場合で言えば、1000メートルの完泳で、しかもそれほどひどいタイムでなくてだ。

後者だとすると、それは身体が自動的にそう感じる、例えば、熱い冷たいとか、疲れたかどうかとか、反射神経作用ということだ。つまり、精神的意味があろうがなかろうが、そう感じる生物的なものだ。

今日の水泳後のこの感覚は、両方混じっているが、精神対肉体の割合でいえば2対8くらいで、はるかに肉体優勢だ。つまり、1000メートル達成とは、数量化すればそうなるほどのことで、言わば後付け。内実は、肉体的感覚が圧倒的だ。つまり、運動をその時の限度くらいまでやれば、そうした「働いた感」「やった感」は、自動的に湧いてくるということだ。言い換えれば、人間、それくらい運動をして入れば、いつも「働いた感」「やった感」に満たされて、ハッピーということだ。逆に言えば、この「働いた感」「やった感」を職場の労働で感じさせようとすることは、この2対8の割合からして、至難の業と言うわけだ。そしてそこで使われるのが、賃金という金の尺度だ。つまり、金の必要はちゃんと満たして、この運動本意の「働いた感」を充実させる仕事にすれば、私たちの満足感、幸福感は、飛躍的に高まるということだ。

 

8月13日〈水

昨年5月より使用してきたASICS GEL-Kayano 30は、ソールがすり減って、一部は剥がれてきた。記録を調べてみると、この1年3か月で走った総距離は1,070キロほど。靴の履き替えの目安は500~800キロとされているので、それからすると、十二分に使ったというところ。

そこで新たにオーダーしたASICS GEL-Kayano 32が昨日届き、今日から履き始めた。

値段は、どちらも280豪ドルで、このインフレ時代に同額なのには少々おどろき。

これまでのKayano 30は黒で地味な感じだったが、今度は色を変え、ウインターシー(冬の海)と呼ばれる写真のような色にした。使用してみると、白のソール部分が目立って、なにやら、人間じゃなく靴が走ってる感じ。使用感は、Kayano 30を履いた時の驚くようなフィット感やクションのほど良さになじんできたせいか、このKayano 32には、さほどの新鮮な感じはなくて、少々がっかり。それに今日は、寝不足のせいか体調がよくなく、せっかくの新調靴なのに、記録も並以下で、靴には申し訳なし。8キロで1時間11分2秒。

 

8月15日〈金

今日のKayano 32は、むしろ今日が初めて履いたような感じで、新しい履き心地があった。クッション感がよりある。そのせいか、タイムは少々改善して、1時間10分丁度。

 

8月18日〈月

高齢者には政府より、毎年、誕生日を前に、その健康が車の運転に十分であるかどうかをチェックするようにとの手紙が来る。そして、それの求める必要項目を、自分の主治医に判定してもらわねばならない。

今日、その結果をもらってきたが、運転の継続自体に問題はないのだが、血液検査項目中にいつものPSA値があって、それがまた上がって、9.63であった。専門医による定期診断は10月に予定しているのだが、4月の8.90から4か月でのこれだけの上昇は微妙である。さっそく予約を入れて9月末となった。

 

8月19日〈火〉。

雨の降りだしそうなあやしい空模様のもと、はじり始めると、二日の休養のせいか、調子がいい。ひさびさに10キロまで距離を伸ばす。タイムは1時間27分48秒。左足のぶり返しを避けるため、最後の半キロほどは、ペースを落とす。

 

 

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