これまでに、「健康って何だろう」をテーマに3回(健康って何だろう、続・健康って何だろう、続々・健康って何だろう)にわたって考えてきた。
本稿はそうした考察の延長だが、その「健康」度合いを見る社会的な尺度としてよく用いられるのが、政府統計上の数値である。
たとえば、二種の寿命、すなわち、介護が必要となる年齢と定義される「健康寿命」(2024年で、日本人男72歳、女74歳)と「平均寿命」(男81歳、女87歳)との間の「要介護」期間(男9年間、女13年間)がある。
そこでだが、統計によるこの「要介護」期間年齢にあっても、実際面では、その「健康寿命」の年齢を過ぎてもまだ「介護不要」の場合とか、反対に、それより前に介護を必要とする場合も当然にいろいろありうるわけだ。
そうした統計と実際のかけ離れの一例として、私はそのうちの前者である「健康寿命」後「介護不要」者の一人であり、それどころか、もう「平均寿命」にすら近いと言ってもよい。
つまりそうした統計数値から言えば、私のケースは顕著に例外的なようで、たしかに自分でも、主観上は当然視できている一方、そのうちに悪い宣告が下るのではないかと、一種の綱渡り感は否めない。