「人生三周目」の前夜中には明暗がある。その予告編第二号「〈心〉なき片手落ち」はその明部を描いているが、以下はその暗部での「のた打ち」である。
そこで想い起すのだが、12年8カ月前の2013年2月、私の「先頭ランナー」たるバエさんが82歳で亡くなった。生前、そのバエさんがよく口にしていた、「八十の坂を越えるのがどんなに大変か」との言葉がある。そのバエさんがなんとか越えた「八十の坂」を、私はいま、あえぎあえぎ登っている。
その言葉を最初に聞いたのは、その数年前、私がまだ60歳半ばの頃だ。確か、彼が合わない入歯に難儀し、そう嘆いていた時だ。ただ当時私は、「八十」と聞いても数上の開きの問題くらいにしか考えず、その意味についてははかりえなかった。
以下は、今まさに自分がこの「八十の坂越え」を試みている話となるのだが、ことにこの数日(別掲日誌参照)に起こってきた予期せぬ出来事である。 詳細記事