PSA値、8.21に上昇

連載《「男の急所」の料理法》(その11)

発行人

【2月13日】昨日、10か月ぶりの血液検査をしてきた。前回のは昨年5月で、その後8月31日のMRIと11月9日の生検というひと顛末があった末のこの血液検査である。

正直なところを言えば、全摘も辞退して独自路線をゆく中で、その結果がどう出るのか、綱渡りの感触は否めない。

そのPSA値は、一昨年2月の8.07が最高で、上記の昨年5月ではそれが7.46まで下がっていた。それを、ガン発症から10年ということで、専門医の助言に従い、MRIと生検という念のための一巡りをさせられてきた。

以下、きわめて私的な事なのだが、書き止めておくことにした。

というのは、この生検によって、私のセガレの能力に、決して小さくはない異変が生じたのは確かだからだ。

まず、この生検を境に、精液分泌量が激減している。

77という年齢は、この辺について、一般にどういうものなのかは分からない。だが、いわゆる性的能力をめぐっては、いつまでも気掛かりなものだ。そして、はるかにまれにはなったとはいえ、マスターベーションによる射精が、一種の健康の目安でも、一抹の楽しみでもあり、それがこの生検時までも続いていた。

私の医師の言では、前立腺の肥大やそのガンについて、ことに私の年齢ともなれば、性的なことはもうさほどに重要ではなかろうから、それがゆえ、全摘すら、得られる利点と比べれば、そのリスクは大したことはないというものであった。そして、全摘後には、勃起障害を起こすほぼ50パーセントのリスクはあるが、射精も可能であるとされていた。

また、今回の生検の際の説明プリントにも、生検後、尿や精液に血液が混じるとはあるが、精液量が減るとの説明は記されていなかった。

さてそこでだが、この生検の後、射精の精液量は、そうとうに減った。それ以前、一定の量(計ったことはないが1㏄ほどはあったろうか)はあったものが、もうほんの1、2滴にまで激減した。しかも、いっそう水っぽく、いくらか薄茶色で血液の混じりもみられる。

以上、かくも些末な話ではある。しかし、前立腺に関しては、あれこれ情報を調べても、生検や全摘などに関し、医者側からの情報はあっても、受けた患者側からのその結果の、ことに内輪の情報は皆無である。

むろん一般的には、高齢者の前立腺の問題は、それがあろうがなかろうが、その残命はそう長くはなく、いずれ死んでゆく。その意味では、以上のような私的詳細の経緯は、どこまでも個人的で、内に秘められたまま終わらされてゆくのであろう。

そこでもし差し支えが無いものであるならば、同病のご同輩の見解はいかがだろうかと思う。

私の場合、前立腺以外に、健康上の問題は特に何もない。だからこそ、それに関心が集中している。そしてその前立腺ガンにしても、自覚症状はなにも伴わず(肥大による排尿の細りはある)、PSA値だの、生検だのと、それほどまでに取り沙汰される必要があるのだろうかとさえ考えてしまう。もちろん予防の重要さは承知している。そこでそのあたりの必要度合いを自己判断し、幸いに緊急性は低いこともあり、他に東洋医学上の治療も平行して行い、時間をかけた対応を続けてきているのが私の場合である。

 

【2月14日】血液検査の結果が出た。気掛かりなPSA値は、8.21と前回の7.46からかなり上昇し、これまでの最高値になっている。一般に、生検の後では上昇する傾向があり、3か月後に再度の検査をして、判断することにした。

PSA以外の項目では、コレステロール値がやや高いが、前回よりは下がっている。

 

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