下記グラフのように、3月に生じた〈AI効果〉と推測される大躍進は、4月では、二種の異なった結果をみせつつ、次の段階に移ってきているようです。
そこでその二種ですが、ひとつは、4月の「日平均訪問者数」(グラフ中の赤線)が 2,671人と、3月の 2,695人から24人減ったものの、1月までの1,200人前後の推移からすれば、2倍越えの高水準を維持していることです。つまり、明らかな〈推測-AI効果〉です。
他方、部門別では、そのほとんどで大きく下落し、大勢として、〈推測-AI効果〉以前の2月までの水準に戻ったかの状態です。
このように、この3月は異様な突出だったのですが、もしこれが無かったことに修正してみたのが右の1月から4月までの部分グラフです。(ただしこのグラフでは、「日平均訪問者数」はこの修正をしておらず、高止まりとなっている上グラフと同じ形状となっています。)
この修正グラフが示すように、3月の異様な増加を除去すれば、各部門はおおむね、このような自然な変化の内に収まっていたのではないかと思われます。
そこで、当『両生歩き』サイト上へのこうした〈推測-AI効果〉について、同一サイトの同じ時期の統計にもかかわらず、なぜ、こうした二種の違った結果が生じているのかが疑問となります。つまりそれが〈AI効果〉であるとするのなら、その効果は「訪問者数」には現れやすく、部門別の「ヒット数」には現れ難いと言えることです。これはなぜなのでしょう。
ここで、この違いの原因を推測するのですが、既述のように、「訪問者(visitsともいう)」というのは、IT業界で共有されている用語で、定義に基づき一定の計算式で算出された数値です。一方、各部門のヒット数は、各サービスプロバイダー(SP)が記録している日々刻々の生のデータで、それは、私がSPより得たアクセスログの数値をもとにそのように部門別に分類集計したものです。
つまり、「訪問者数」は共通化された加工数値である一方、部門ヒット数は自然数値で、未整理に存在するマスデータであることです。この「人工」と「自然」との違いがミソです。
そこでなぜ、この3月と4月で違いがあったのか、これはさらなる推量ですが、ここで上の「人工」と「自然」との違いがヒントとなります。すなわち、人工的な「訪問者数」は、これまでのレベルの2倍以上へと急に膨れ上がっており、人工的に作り出された〈AI読者〉による、あるいはそれを含んだものであることです。
他方、各部門別数値は、そういう人工操作を経ていない生のデータによる、いわば生きた数値で、これは、実際の読者による、日々の反応の結果であるものです。
そのように分析してみると、今後、この「人工」と「自然」という二種のデータの使い分けの重要さが浮かび上がってきます。
そこで、その「自然」な各部門での変化ですが、上の修正グラフが表すように、緑系の各部門の伸びが順調です。すなわち、「両生空間」部門系の4項目での伸びです。
そして、「私共和国」(黒点線)が穏やかに伸び、一方、「リタイアメントオーストラリア」(茶色線)が、下降気味です。
つまり全般に、最近の新しい分野の記事が伸びていると言えます。そしてこれは本レポート上には現れていませんが、日々のログ記録を追いかけている詳細なチェックからも、そう結論できる動向です。
最後に、いまやAIが怒涛のように導入されているのは既成の事実で、それこそ、〈AIの世紀〉の到来です。したがって、当サイトにおいても何らかの影響をこうむることは避けられず、むしろ今後は、〈推測-AI効果〉としてではなく、〈既成-AI効果〉として新たなIT環境として受け止め、その環境自体をどう観測、分析、活用してゆくかの問題と考えます。そしてその際、上記の「人工」と「自然」という二種のデータの使い分けは、そのAIの世紀の怒涛に溺れさせられない「一本の藁」として、有用なものと判断されます。
なお、兄弟サイト『フィラース』上では、この4月、より複雑なAIの影響が見られており、すでにそのレポートが掲載されています。