8月の一日平均訪問者数(下グラフでの赤線)は、7月からさらに70人余り減少して907人となり、3年前の2018年前半の水準であった900人台へすっかり舞い戻りました。こうした連続する減少には、五輪という大イベントの影響があるとは考えられます。しかしそれには、一日平均訪問者数の減少といった滞在時間の短縮化の一方、訪問記事の多様化や、部門別の大勢の変化が見られるなど、落ち着きを失った社会動向が反映した、いっそう複雑な要素が絡んでいそうです。
ただ、今回とくに注意が必要なのは、グラフ作図上の訂正がされていることです。というのは、これまでのグラフ作成に一部重複表示があり、相互比較を困難にしていました。それを訂正したため、グラフ形状が大きく変化しています。
下記はその訂正したグラフですが、この8月は、10部門のうち7部門は減少し、増加している3部門のうちの1部門「2項合計」(黄色線)はほぼ横ばいです。
その増加2部門とは、「エソテリック2部作」(黒線)と「私共和国」(灰空色線)です。ことに前者は二カ月連続しての大きな伸びで、その「エソテリック」つまり“神秘主義”に踏み込んだ記事への読者数の増加です。
また、おだやかな増加の「私共和国」は、主に私の日常活動の記録で、それに増加が見られるというのは、おそらく、健康維持法やコロナへの取り組みへの関心がゆえかと推測されます。
さらに、長年、高い関心を集めてきた「天皇の陰謀」(紫線)は、天皇の退位意向表明に絡み、2018年に極めて突出したピークを見せた以降、2019年半ばまで上下し、その後はいよいよ長期的な下降に入ったかの動きを見せてきています。
一方、10年以上昔に書かれた比較的古い記事「両生空間 -2009」(黄緑線)が数年にわたり漸増してきましたが、この4カ月間で急落しています。
他方、「両生空間 2020-」(エメラルド色線)は、そうした2019年までの知見に基づき、新規な考察を試みてきているもので、科学の先端領域に踏み込んだものが多く、とっつきにくい傾向があるのは確かです。そこで、それゆえらしい伸び悩みが現れています。
また、「両生空間 -2009」(黄緑線)と「両生空間 2010-2019」(緑線)は、後者が重複した「エソテリック2部作」(黒線)を除去したため大きく数値を下げています。しかし、この修正により、両期間同士の比較が容易となり、この4カ月間、つまり五輪ムードの中での両者の入れ替わり、すなわち新しい記事への関心増が目立っています。
ところで、一年前に開設した新サイト『フィラース Philearth』は、そうした最新分野に焦点を当てた新企画ですが、その一日平均訪問者数はまだ50名前後とまだ萌芽期で、今後の伸びに期待したいところです。
以上の諸特徴から推測すると、「天皇の陰謀」と入れ替わって「エソテリック2部作」が上昇傾向にあり、また、「両生空間」や「私共和国」の最新記事が注目されているように、社会思潮として、関心の対象が報道を賑わす目先の事柄から、その背後に隠された深奥部を探ろうとする、人々の関心の熟思化が生じているかと観察されます。