中ソも入る日米同盟はありえるか

憲法改正考(その15)

いま、私が別掲で訳読を続けているブラッド・オルセンの二著書、Future EsotericModern Esoteric (邦訳タイトルはそれぞれ『「東西融合〈涅槃〉思想」の将来性 』と『現代の「東西融合〈涅槃〉思想」 』)に述べられている内容は、極めて広い領域におよんでいるばかりでなく、その意味も実に深遠です。

ことに私がその深遠さで注目する点は、世界平和の真の枠組みを考えるとすると、こういう立場しかないのではないか、と思われる彼の視点、つまり、人類の原点です。

一方、阿部政権がまんまと罠にはまるように迷い込んで行っている現日米同盟――田中宇の『多極化への捨て駒にされる日本』必読――が言う「世界平和」とは、アメリカの世界覇権の挽回のための方便にすぎません。

そして、そういういかにもずる賢く醜いアメリカの真相を、アメリカ人のひとりとしてその内部から、おそらく《命がけ》で告発しているのが、上記、二著書です。

つまり、本タイトルのように、「中ソも入る日米同盟」(これは実際上、世界全部が入るという意味です)という枠組みを考えると、混迷の極地にまでも達したかの今日の世界の、いったいどこから間違いが始まったのか、そのこんがらがった関係の糸口をみつけようとするには、これしかないのではないかと思える議論が、この二著書に展開されています。

逆に言えば、希望は、この立場に立つしかないだろうと言うことです。

そのキーポイントは、私がこの訳読で、二原著の両タイトルに含まれるキーワード Esoteric を「東西融合〈涅槃〉思想」と訳したように、東洋と西洋の両文明のその奥底に共通する、歴史的にも古く思想的にも奥深い視点に注目することにあります。

そしてその東西の融合とは、畢竟、よって立つところは宇宙、ということにあります。

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