あとひと月で73歳となる。歳もそれくらいに至れば、どんな男も大なり小なりに、ある身体事情をかかえることとなる。そこで、片やでは、トホホとばかりに気落ちし、ひそかに挽回を願って、未練がましい努力に精を出すことになる。また他方では、何をジタバタと見下して、いさぎよくその宿命を引き受けよとのたまう。いずれにせよ、言うことを効かぬ自身に遭遇して、右に左にと揺れ動く、なんとも切ない男心である。
言うまでもなく、その身体事情とは、近年では婉曲的に「ED」――直訳すれば「勃起不全」――と呼ばれる、男の気候変化である。そしてそのシリアスさがゆえ、「死ぬまで現役」との武勇伝さながらの都市伝説も聞こえてくる。だが実相は、おそらく、そうは行かないからこその伝説なのだろう。
ともあれ、そういう難物に、そいつは、上記のタイトルのように「ようやく」を冠して関わってみようとしている。 詳細記事