3QsP Day 31(2021年8月22日〈日〉)
太平洋戦争中の話だが、当時の日本の若者たちの中でもやはり、戦争には反対だ、戦争に勇んで出て行きたくはない、と考えるものたちは少なからずいた。しかし、そういう彼らも最終的には戦争に出ていった。その彼らの姿勢を動かした考え方に、社会全体が戦争一色に染まってゆき、まして、自分の同級生とか幼なじみたちが戦死してゆく事態を目の当たりにして、彼らは、同胞が血を流し命まで捧げているのに、自分だけが生き延びてようとしていることへの打ち消せぬ自責感にとらわれたのだった。つまり、理性的には戦争に反対だったが、情念的な絆を断ち切ることはできなかった。ことに戦争末期、特攻隊に志願さえしたそうした学徒たちは、自分の理性に「家族を敵から守るため」と言い聞かせて、自らの命を投じる理由としていった。 詳細記事