6年前の2013年9月、私は『天皇の陰謀』の私的訳読作業を終え、また、その解説版である「ダブルフィクションとしての天皇」の最終回に「『日本人であることの不快感』と、その解消」を書きました。そしてその中で、解説はそれに終わらず、さらに続けたいとも追記しました。

その後、ネット出版したその私的訳読版に接した読者の方々から、訳の誤りや分かりにくさなどの指摘を頂き、その都度、訂正を続けてきています。

お陰様でその私的訳読版は、翻訳としていっそう充実し、引き続き多くの読者の関心をいただいています。

そういう意味で私は、この私的訳読版は、個人によるプライベートな出版の域を越え、もはやひとつのパブリックドメイン〔公有財〕になりつつあるとの感を抱いています。

ところがその一方、その天皇制の現況、ことに今年の代替わりに関しては、現天皇自身すらが違和感を表すほどに、その慶祝行事が安倍政権の失政を隠す絶好の機会とされているかの企みがうかがえ、過去の「ダブルフィクション」にさらなる偽りを加える、「トリプルフィクション」とも言うべき状況が作り出されようとしています。 詳細記事

QL-Day 76(2019年3月10日〈日〉)

私はこの年齢(72歳半)になって、自分が止むにやまれずにとってきた《二重構えの生き方》が、人生の戦略としていかに決定的であったかを覚っている。まあ、平たく言えば、この欺瞞だらけの世界にあって、一途に生きよというのが無理なのだ。化け物にもならず、殺されもせずに生き残るには、この《二重構え》は、必須のスタイルなのだ。 詳細記事