人間のおごりが指摘されて久しいどころか、そのおごり振りは遂に、自滅的、地球破壊的レベルにすら達している感があります。そしてそれによる災厄を、自然の復讐とか断罪と見る向きもありますが、それも、慣れ親しんだおごりの反転した“逆おごり”意識にすぎないでしょう。

エソテリック論の今回の議論は、「幾何学」という、一見、なんとも懐かしく教科書的な観点によるものです。ことに私など、いわゆる工科系の学生生活を送ってきた者にとっては、この数学的で図形的なアプローチは、どこか古巣に帰ったような感覚を伴います。しかし、さすがにエソテリックな視野はそんなレベルにはとどまらず、むしろ、西洋が西洋たる過ちを重ねてきたその長い過程を振り返っています。今回の「黄金比」の節の終わりで示されているプラトンの言葉、「幾何学は天地創造の前から存在した」は、「神」の名のもとに悪事を繰り返してきた人間のおごりを指摘するようにも聞こえます。 詳細記事

 

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聖なる幾何学(その1)

「宇宙は、音楽、数学そして幾何学として表現される法則に基づいて形成され、それは調和と秩序そして均衡をもたらす。」――エドガー・ケイシー〔米国の予言者、心霊診断家  1877–1945〕

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